LOG IN

ワイの愛したメロディックスピードメタル10

by KOBAS

僕が本格的にメタルの漁盤を始めたころは、ネットにおけるメロディックスピードメタルブームが一段落した頃だった。
ゲーム「ギターヒーロー」の収録曲をきっかけにDRAGONFORCEがスターダムにのしあがり、
Nocturnal Ritesがメロスピというよりは「メロディックメタル」になって、
Triviumがスクリーム要素を廃しトラッドなメタルに急接近した…
そんな頃だった。

世の流れとしてはそんな感じだったが、ネット上ではメロスピブームの時期に作成されたレビューが溢れ、
これを読み解き音源に触れては「自分が本当に好きな音」に近づいていく、という過程にあったのがその頃の僕だった。

DJの師匠が「メロスピの貴公子」だった事もあって、僕もメロスパーのように思われる事が当初あったのだが、
僕にとってメロスピは通過点であって到着点ではなかったので違和感を覚えることもしばしばだった。

最近6周年を迎え、今となってはそんな道筋を余裕のある目で見られるようになった。
ドイツが誇るメロスピ界のレジェンド、HELLOWEENの全盛期メンバーの大集合も目撃出来たことだし、自らが通りまた愛してきたメロスピについて振り返りたい。

HEROES / MASTERPLAN

ある時HELLOWEENを流し聴きしていた僕の耳に止まったのが「The Chance」という曲だった。
この曲の作曲者が今は自分のバンドをやっている。
そんな情報を得てすぐ探しに行ったのがMASTERPLANだった。
HELLOWEENの伝説的な元ボーカル、マイケル・キスクもゲスト参加している。
タイプは違うが、本ボーカルも有数の実力者である(ヨルン・ランデ)。

メロディの素晴らしさ、二人のボーカルの熱唱もさることながら、
「The MASTERPLAN's Rising and Dream will come True」の下りは後追い世代でもグッと来ざるを得ない。
それだけキスク時代のHELLOWEENは伝説的な存在だった。

ちなみに10年ほどしてライブで見た際、キスクのパートは作曲者ローランド・グラポウ(G)が歌っていて脱力したり、
この感動的な「伝説のメンバーが集結!!」という一幕にグラポウは呼ばれてもいなかったりとオチが付きまくっている。

I WANT OUT / HELLOWEEN 

キスク時代のハロウィン、殊に創始者にしてジャーマンメタルゴッドであるカイ・ハンセンと共に在籍していた時代は2枚のアルバム(しかもパート1,パート2)しか残っていないにもかかわらず、
世界各国にフォロワーを大量発生させる驚異的な影響を及ぼした。

メタルシーンの中心たるアメリカではあまり振るわず、その中で比較的ウケたこの曲が現在もアンコールの最後で歌われる曲になっている。
一方でカイ・ハンセンの(本人が歌っていた頃のRide The Skyに並ぶ)テーマ曲という所があり、
キスクっぽい歌い回しを求めてカバーを聴くと2番くらいから唐突にカイがボーカルとして参戦するパターンに何回かぶち当たっている。

曲自体は「まんまGary MooreのOut In The Field」「ソロがマイケル・シェンカーのInto The Arena」とツッコまれまくりながらも、
キャッチーなサビと堂々たるボーカルパフォーマンス、カイらしい構築美あふれるギターワークに満ちた名曲である。

-----

なお、殊日本に置いてはHELLOWEENが誇るメロディメーカー、マイケル・ヴァイカート(G)の手によるメロディックスピードメタルアンセム「Eagle Fly free」がHELLOWEEN第一の名曲とされていることを付け加えておきたい。

Heaven Can Wait / Gamma Ray

KAI is GOD。
誰が呼んだかジャーマンメタルゴッド。
メロスピに「ハレルヤ感」「明るさ」をもたらした陽のスターである。
体調問題でHELLOWEENを辞めてから始めたGAMMA RAYの方でも高い知名度を誇る。

元々はドイツのロブ・ハルフォードと名高いラルフ・シーパースがボーカルだったが、脱退後は「良いVoがいたらすぐ入ってもらうよ!」と言いながら延々自分が歌っている。
カイは平たく言って変な歌声の人だが、その妙に快活な歌声に慣れてしまうともうゴッドでしかない。
最後まで聴いてスカッと明るい気分になる名曲中の名曲である。
…が、LPで見た時は調子が悪すぎ全然声が出ておらず(´・ω・`)とした。。。

なお、Punpkins United公演では連日飲み歩いていたはずなのに絶好調であった。
やっぱカイって神だわ。

The Prophecy / Dream Evil

メロスピは歌詞がクッソダサい、ゲーム音楽かよと言われるが、
ヨーロッパ圏ではオペラの影響もありファンタジーじみたストーリーのアルバムを作ることも多く、一概にダサいで片付けられない文化的な差を感じる。

歌詞は勇者が予言の石を見つけ、その通りに悪を倒す決意を固めるシーンを歌ったもので正直お前ゲームかよぉ?!
となるが、若きギターヒーローであるガス・Gの好演もあり、エピックなメロディの生きた名曲。
むしろこういうの聞いてる時くらい勇者気分に浸ろう(提案)

We don't Need A Hero / Edguy

ドイツにはHELLOWEEN、マイケル・キスクというヒーローがいた。
Edguyのトビアス・サメットはその後継者にして次世代を担う存在であり、
「これから俺達が時代を担っていくんだ!」という気概に満ちたサウンドは、メロスピを下地にしながらもありがちにとどまらない快活さに溢れている。
いつ聴いても若き日の想いを振りかえれる素晴らしい曲である。

なお実際Edguyはドイツ本国で成功を収めるに到るのだが、この後脱メロスピしてしまい日本ではなかなか扱いの難しい存在になっている。

Shelter From The Rain / Avantasia

「俺たちにヒーローはいらないんだ!」
と言っていたはずのトビアス・サメットだが、むしろキスクに対してはリスペクトの思いを強く感じる。
「メタルオペラ」と銘打って始めたサイドプロジェクトAvantasiaでは、メタルから離れていたキスクを1stからフィーチャー。
ついには10数年ぶりのキスク来日(ついでにカイも来日)という奇跡を起こしてしまった。

この曲は「ついにトビアスがキスクにジャーマンメタルを!!」という感動をもって迎えられた、作中でも極めてハレルヤ感の強い曲である。
途中でハスキーな美声を響かせるボブ・カトレイのパートがドラマティックでもうたまらないのだが、
そこからカイの弾く構築感あるギターソロが更に最高なんだよなあ。

The Dragon Lies Bleeding / Hammerfall

メロスピといえばドラゴンである。
西洋におけるドラゴンは悪しき力の象徴的であり、その血が流れる約束の地を肥えて歩んでいく姿は英雄のそれと言うわけでお前アニソンかよぉ?!と言いたくなるがこういう曲を聴いてる時くらい(以下略
この頃のHammerfallはメロデス界で最もズルいメロディを書く男、イェスパー・ストロムブラードに支えられておりエピックで流麗なメロディが胸を打つ。

Vengence / Nocturnal Rites

ジョニー・リンドクヴィストはどちらかと言えば正統派寄りのパワーボーカリストであり、その事もあってNocturnal Ritesはこの後メロスピというよりはメロディックメタルに寄っていくことになる。
それ以前のメロスピスタイルの曲とジョニーの歌声がマッチした、ある意味妥協点的でありながら秀作であるという2面性のある曲である。

一応断っておくと、Nocturnal Ritesにおいてはジョニーがボーカルになる前の「Destiny Calls」が代表的メロスピ曲という扱いであるし、これも名曲である。
でも俺はジョニーが好きなんだよ(迫真)

Center Of The Universe / KAMELOT

シンフォニックアレンジが前に出ながらも、ギターフレーズの味が生き生きとしており、
美しく豊潤であるのにメタルとしてのカタルシスがあるという驚異的なサウンドを実現しているのがKAMELOTである。
この曲はメロスピ的な疾走曲でありながら二転三転するドラマチックな展開を自然に挟んでおり、
これを描き上げるロイ・カーンの艶めかしくも情熱的な歌声に酔いしれたい一曲である。
彼がいるライブを見ておきたかった。。。

Silent Revelation / Galneryus

怒涛のクサい展開、エピックなメロディを絶唱するボーカルで今なお色褪せない名曲の1つである。
日本におけるメロスピ文化史に燦然と輝く存在であるGalneryusは、メタラー以外にとっての入口でありながら年々濃厚極まる存在になっていく異形のスターだが、
まだまだ日本のヘヴィ・メタルへの風当たりが厳しい中で自らの音楽を築いていこうという想いに満ちている。

なお今はこの時のメンバーの2/5が顔見知りになっており、日本のメタル界が避けて通れない問題が浮き彫りに(ry(´・ω・`)

終わりに

僕にとってメロスピは通過点だったと書いた。
それだけ当時はメロスピの情報に満ち溢れており、入口である反面、それをかき分けないとなかなか他にたどり着けないようなところもあった。


一方、素晴らしい作品も当然に多い。
この時代に入って来なかったら、大量の情報に辟易して出会うことのなかったかもしれない作品たちだ。
今だから言えることだが、この時代を過ごせたことに感謝したい。

なお楽曲は10年間の再生順位上位から、アーティストが被らないように選んだ。
(なるべく、正統派やネオクラ、メロパワですらないようにという基準で更に絞った)
じゃないと南瓜関係のバンドで圧殺されてしまっていたという偉大にしてやっぱ情報の整理って必要だね、と示唆する事実を書いて筆を置きたい。


KOBAS
OTHER SNAPS